今回ご紹介するのは、トイレのヒップシャワーからの水漏れが原因で、室内浸水から共用部、さらにはエレベーター故障にまで発展した事例です。事故が起きた部屋では、入居者が排水口からの臭いや虫の侵入を防ぐため、排水口の上にゴミ箱を設置していました。普段は問題がなくても、水漏れが発生した際このゴミ箱が排水を妨げる形となります。その結果、水は排水されずにトイレからリビング寝室へと広がり、最終的には室外の共用廊下まで流れ出てしまいました。

排水口を塞いでいたゴミ箱

バンコクにある多くのコンドミニアムでは、室内と共用廊下の間に段差が少ないフラット構造です。このため室内から溢れた水はそのまま共用部へ流れ込み、結果としてエレベーターが故障してしまいました。エレベーターは住民全体の生活に直結する設備であるため、即時の修理対応が必要な事態となりました。

段差のないラット構造のため浸水が広がりました

今回の事故では、エレベーター修理費用について保険が適用されることが確認されていました。しかし、エレベーターは停止したままにできず、即復旧が必須となるため、保険金が実際に支払われるまで工事を待つことができません。修理を進めるためには、まず修理費用の支払いが必要であり、この支払いが行われない限り、修理も進まず、保険申請自体が正式に受理されない状況でした。そのため、当日中に修理費155,235.60バーツという高額な支払いが求められることになります。

しかし、オーナーが当日中に現金を用意できなかったため、このままでは入居者側に請求が及ぶ可能性もありました。そこで当社がオーナーに代わり、一時的に155,235.60バーツ全額を立て替えて支払い、修理および保険手続きを優先的に進めました

当社が立て替えて支払った費用

今回の事故で不幸中の幸いだった点もあります。それは、室内の床材が木材フローリングではなく、すべてタイルだったことです。リビングから寝室まで広範囲に浸水はしましたが、床がタイルだったため、膨張や腐食などのダメージはほとんど発生しませんでした。その結果、室内修理の必要はなく、入居者が与えたダメージとしてデポジットから修理費を差し引くといった問題も発生しませんでした。もし木材フローリングであれば、床の張り替えが必要となり、トラブルはさらに大きくなっていた可能性があります。

その後、保険会社からオーナーへ返金されるまでに約1年8か月という非常に長い期間を要しましたが、最終的には同額が返金され、当社への返金も完了し無事解決しています。

オーナーへから当社へ返金された費用

改めて注意したいのが排水口の扱い方です。臭いや害虫対策として排水口を塞いでしまう方は少なくありませんが、排水口は水漏れや浸水時に被害拡大を防ぐための重要な設備です。排水口が正常に使えない状態では、被害が一気に広がるだけでなく、状況によっては保険適用に影響するリスクもあります。定期的に水を流し、流れが悪いと感じた場合は、早めに管理会社や当社へ相談することをお勧めします。

入居者の方からは「迅速に対応してもらい、とても助かった」とのお言葉をいただきました。水回りのトラブルは誰にでも起こり得るものです。当社では、責任の追及よりもまず被害を最小限に抑え、早期解決につなげることを最優先に対応しています。今後も入居者が安心して暮らせる環境を守るため、誠実かつ迅速なサポートを続けてまいります。