バンコクで犬や猫と暮らしている方、これから迎えたい方にとって2026年は大きな節目になりそうです。バンコク都(BMA : Bangkok Metropolitan Administration)が進める新しいルールの流れの中で、犬・猫は「登録」と「マイクロチップ装着」を前提に管理していく方向が明確になってきました。特に気になるのは、「タイで迎えた子はどうすればいいのか」「住まいの広さで飼える頭数に上限があるのか」「すでに複数の犬や猫と暮らしている家庭は大丈夫なのか」といった点です。
この記事ではバンコク在住の飼い主目線で、できるだけ確度の高い範囲に絞りながら、迷いがちなポイントを整理していきます。運用は更新される可能性があるため、実際の手続き前には区役所や動物病院、バンコク都の窓口で最新情報を確認してください。
2026年1月以降、犬・猫はマイクロチップと登録が前提に
日本から連れて来た犬猫は、すでにマイクロチップが入っていることが多いと思います。ただ「チップが入っている」だけで完結するわけではなく、今後は登録と紐づく形で管理されることが重要になります。チップ番号が確実に読み取れる状態か、書類(ワクチン証明など)と番号が一致しているかを、動物病院で一度確認しておくと安心です。
一方、タイ国内で購入・譲渡・保護などで迎えた犬猫は、「チップが入っていない」ケースがほとんどだと思います。この場合は動物病院やバンコク都の獣医関連施設でマイクロチップを装着し、その後に登録へ進めるのが基本の流れになります。
住居の広さで「飼える頭数の上限」が決まる(犬と猫は合算)
今回の変更で、物件探しにも直結する重要ポイントがもう一つあります。バンコク都の考え方として、住居の広さに応じて、飼育できる犬猫の頭数に上限が設けられます。ここで注意したいのは、犬だけ・猫だけではなく、犬と猫を合計した頭数として扱われる点です。
コンドミニアムなどの居室では、床面積が20〜80㎡程度の場合は合計1頭、80㎡以上の場合は合計2頭、という整理で語られることが多いです。戸建て等の場合は土地面積(square wah)を基準に、面積が大きいほど上限が増える考え方が示されています。
| 住居タイプ | 面積の区分(バンコク都の基準) | 面積の目安 | 飼育できる犬・猫の上限(合計) |
|---|---|---|---|
| コンドミニアム/アパート等(部屋) | 床面積 20〜80㎡ | 20〜80㎡ | 1頭まで |
| 床面積 80㎡以上 | 80㎡〜 | 2頭まで | |
| 戸建て等(敷地) | 敷地面積 20平方ワー以下 | 〜約80㎡(※1) | 2頭まで |
| 敷地面積 20〜50平方ワー | 約80〜200㎡(※1) | 3頭まで | |
| 敷地面積 50〜100平方ワー | 約200〜400㎡(※1) | 4頭まで | |
| 敷地面積 100平方ワー以上 | 約400㎡〜(※1) | 6頭まで |
出典:バンコク都「ข้อบัญญัติ…พ.ศ.2567」要約資料(11.1〜11.6)
※1:1平方ワー=4㎡として換算。
さらにペット可の物件でも、物件毎に細かい管理制限があります。例えば物件によってペットの頭数・サイズ(小型犬、中型犬など)・共用部ルールがあり、ルール違反時の清掃費やペット関連の追加費用を定める場合もあります。だからこそペットと一緒に住める物件探しは、単にペット可だけで判断せず、面積(㎡)・管理規約・飼育条件が整合しているかまで確認しておくのが安全です。
すでに制度前から飼っていた犬猫が上限を超えている場合はどうなる?
既に制限以上のペットを飼われている方で一番不安なのが、「上限を超えていたら、手放さないといけないのか?」という点だと思います。ここについては周知されている説明として、制度開始前から飼っていた犬猫については、手放すことを求める運用ではなく、まず区役所へ届出を行うという考え方が示されています。届出の期限も「施行後一定期間内」といった形で案内されているため、該当する方は早めに区の窓口で手続き方針を確認するのが安心です。
大事なのはすでに一緒に暮らしている犬猫は登録をきちんと済ませること、そして これから新たに迎える場合は、住居の広さや物件ルールも踏まえて無理のない頭数で計画したうえで登録すること、この2つは分けて考えることです。
チップがないと病院で診断できない?は基本的に心配しすぎなくて大丈夫
マイクロチップは医療行為の前提というより、「個体識別・登録のためのID」に近いものです。そのため、一般的にはチップが入っていないことを理由に診察・治療そのものができなくなる、という心配はしすぎなくて大丈夫です。
一方で迷子や盗難、所有者確認が必要になったとき、あるいは行政手続きで照合が必要になったときは、チップと登録情報があるほうが圧倒的に話が早くなります。日本人の感覚だと「そんなことあるの?」と思うかもしれませんが、たとえば知人(タイ人)の話では、愛犬がいなくなってしまい後日近所の人が世話をしていたことが分かったケースがありました。返してほしいと伝えても「うちの犬だ」と言われて話が進まなかったものの、「この子にはマイクロチップが入っているので確認できます」と伝えたところスムーズに戻ってきたそうです。こうした例を見るとマイクロチップは安心のための要素が強いと理解すると納得しやすいと思います。トラブルが起きないのが一番ですが、万が一のときに「確認できる手段がある」ことが安心につながります。
バンコク都の施設(無料)と、民間病院(有料)。どちらが安心?
「バンコク都の獣医関連施設は無料と聞くけれど、サービスが不安」という声は、実際に起こりやすいと思います。公的サービスは、費用を抑えられる反面、混雑しやすい、受付時間や枠が限られやすい、言語面のサポートが限定的になりやすい、といった運用上の特徴が出ることがあります。健康な犬猫に対して、チップ装着や登録などの“定型の手続きを早く進めたい”方には合理的ですが、「説明を丁寧に聞きたい」「通院ついでに検査もしたい」「日本語や英語で細かく相談したい」という方は、民間病院の方が安心しやすいのも事実です。
スクンビット周辺にも民間病院は数多くあるので、予約のしやすさ、待ち時間の見通し、設備、説明の丁寧さといった点から選ぶのが良いでしょう。
不安をゼロにせず、負担を減らす工夫を
マイクロチップの装着は処置自体は短時間で終わることが多い一方、注射器で皮下に入れるため、「痛いのでは」「かわいそう」と感じる方も少なくありません。そうした場合でも、犬や猫の負担をできるだけ減らす工夫ができることがあります。たとえば、普段から通っている動物病院に「うちの子は怖がりだけど大丈夫か」「落ち着かせ方はあるか」など事前に相談しておくと安心です。また、去勢・避妊など別の処置のタイミングに合わせて実施できないか相談することで、ストレスを下げやすくなることもあります。
「嫌だから放置」ではなく、「その子に合う方法で負担を減らして実施する」という現実的な落としどころを提案できると、バンコクでペットと暮らす飼い主にとって、より実用的な情報になります。
帰国・海外転勤を見据えるなら、マイクロチップは早めに済ませておくと安心
また、タイに来てから犬や猫を迎える方も少なくありません。そこで気をつけたいのが、日本への帰国や海外への転勤が決まったときです。転勤や帰国は事前に分かれば準備できますが、会社によっては急に辞令が出ることもあります。ペットが国境を越える手続きは、人の引っ越し以上に準備が多く、マイクロチップの装着に加えて、狂犬病ワクチンや各種証明書の手配などが必要になります。特に日本は狂犬病の侵入を防ぐため、タイのような非指定地域から犬猫を入れる場合、マイクロチップ、少なくとも2回の狂犬病ワクチン、狂犬病抗体検査、そして180日待機といった準備が求められるため、結果としてスケジュールに余裕が必要になります。
実際に入居者の方のケースでは、タイで猫を迎えた後に急きょ別の国への転勤が決まり、家族のうち一人が先に移動し、もう一人が書類や手続きの準備のためにタイに残らざるを得なかった、ということがありました。会社からの家賃補助がでないので安いアパートに住み替えるなど生活面でも影響が出やすいのが現実です。中には準備が間に合わず、大切な子を泣く泣く手放す選択をした方がいたという話を聞くこともあります。
タイは犬猫を迎えやすい環境がある一方で、将来の帰国や転勤の可能性が少しでもあるなら、いざとなったら動ける状態にしておくことがとても大切です。特にマイクロチップは早めに済ませておくと、その後の各種手続きの土台になりやすいので、帰国・転勤の予定がなくても備えとして検討する価値があります。帰国日が決まっている場合は、必要な準備期間を逆算し、余裕を持って動くのが安心です。
これからのペット暮らしは「飼える」だけでなく「暮らし続けられる」条件が大事
制度対応は一度きりの作業に見えますが、ペットとの暮らしは日常です。だからこそ、バンコクでのペット可物件探しは、単にペット可というラベルだけでなく、面積(㎡)と頭数上限の整合、管理規約の明確さ、近隣の動物病院アクセスまで含めて選ぶと安心です。
もしこれからお部屋探しをするなら、「ペットと一緒に暮らせますか?」の次に、「何頭まで・サイズ制限は?」「共用部のルールは?」までを確認しておくと、後から困りにくくなります。バンコクでペットと暮らす人が増えるほど、こうした揉めない条件が住まい選びの価値になります。ペットと一緒に暮らせる物件をお探しの方は是非当社すずき不動産へご連絡下さい。



